家電をたくさん使っていませんか?分電盤の見直しで安心・安全な暮らしを
2025/04/25
分電盤は、電力会社から送られてきた電気を家庭内に分配する重要な役割を果たしています。
中でも重要なのは、ブレーカーの機能でこれが安全に稼働することで感電や漏電、電気火災などを防いでいます。
分電盤には耐用年数があるため、定期的に交換を行う必要があります。分電盤の交換の目安や工事方法について解説します。
分電盤とは
分電盤は、住宅内において、電気を中央収集的にコントロールする重要な役割を担っています。
電力会社から送られてきた電気は分電盤に集められ、各部屋のコンセントに送られてそれぞれの部屋で電気を使うことになります。
電気の分配の際は、一つの電線に過剰に電力が集中しないようにうまく分配することがポイントです。
例えば、エアコンなどは、専用回路にしますし、家電を多数使う台所には、複数の配線を回すといった具合です。
こうした配線を分電盤設置の際に行っています。
分電盤とブレーカーの違い
分電盤とブレーカーがどう違うのかわからない方もいらっしゃるかもしれません。
結論から言うと、ブレーカーは分電盤に組み込まれている機能です。
そのため、分電盤とブレーカーが同じものという認識の方も多いと思います。
ブレーカーの役割と種類
ブレーカーは、電気が過剰に流れていることを検知した時や、電線の異常を確認した時に自動的に電気を遮断する役割を担っています。
ブレーカーが安全に機能していないと、電気火災や感電といった事故が起き、大変危険な状態になります。
分電盤に組み込まれているブレーカーは次の3種類です。
・アンペアブレーカー
・漏電ブレーカー
・安全ブレーカー(サーキットブレーカー)
それぞれどのような役割を果たすのか確認しましょう。
アンペアブレーカー
電力会社からは契約アンペアに応じた電気が送られてきます。
一般家庭で多い従量電灯Bの場合は、10アンペア〜60アンペアで契約がなされています。
そして、契約アンペアを超える電力を使用すると、アンペアブレーカーが落ちて、家全体の電気が遮断されます。
電気の使いすぎを防止するための機能ということになります。
漏電ブレーカー
漏電とは、電気が流れるべきではない場所に流れる状態のことです。
例えば、次のような場合に漏電が起きます。
☑電線を覆う被膜が破れて、電線が露出している場合。
☑電化製品内部で故障が起きた場合。
☑コンセントとプラグの間にホコリが溜まっている場合(トラッキング現象)。
漏電が発生すると火災が発生したり感電事故が起きてしまいます。
そこで、漏電を探知した場合は速やかに漏電ブレーカーが落ちて、家全体または特定の回路の電気が遮断される仕組みになっています。
安全ブレーカー(サーキットブレーカー)
安全ブレーカー(サーキットブレーカー)は、各部屋の回路ごとに設置されているブレーカーです。
各回路に過剰な電気が流れた際に安全ブレーカーが落ちて、その回路だけ電気を遮断します。
例えば、一つの回路で消費電力の高い家電を集中的に使った場合に安全ブレーカーが落ちることがあります。
ブレーカーが落ちやすい家電
ブレーカーのうち、アンペアブレーカーや安全ブレーカーは、消費電力の大きい家電を使った場合に落ちやすくなります。
代表的な家電は次のとおりです。
・電子レンジ
・オーブン
・IHクッキングヒーター
・食器洗い乾燥器
・炊飯器
・電気ケトル
・ドラム式洗濯乾燥機
・ドライヤー
・掃除機
いずれも台所や洗面所で使うことの多い家電です。
これらの場所には複数の回路を回すなどして、電気配線を工夫することがポイントです。
安全ブレーカーが落ちる場合は、特定の回路で家電を使いすぎている証拠なので、家電を使うコンセントを変えると落ちにくくなることもあります。
アンペアブレーカーが落ちる場合は、契約アンペアが足りていない可能性があるので、電気の契約の見直しを検討しましょう。
分電盤を交換すべきタイミング
分電盤は、住宅で電気を安全に使うための重要な役割を担っています。
普段はあまり気にかけないかもしれませんが、分電盤には耐用年数があるため、定期的な交換が必要です。
特にブレーカーが落ちやすくなったときは、分電盤を交換すべきタイミングになります。
分電盤を交換すべき主なタイミングを紹介します。
ブレーカーがよく落ちるようになった時
ブレーカーには、既に紹介した通り、3種類あります。
このうち、アンペアブレーカーが頻繁に落ちるようになった場合は、契約アンペアが足りていない可能性があります。
契約アンペアの見直しを行う際は、電力会社がアンペアブレーカーの取り替え工事を行ってくれます。
これとは別に分電盤の交換工事を行ったほうが良いこともあります。
漏電ブレーカーが頻繁に落ちる場合は、家庭内の家電が故障している可能性があります。原因が分からない場合は、電気屋さんに調査してもらいましょう。
安全ブレーカーが頻繁に落ちる場合は、特定の回路で家電等を使いすぎているということです。分電盤が電力を効率的に管理できていないので、分電盤の交換工事や回路の見直しが必要です。
分電盤の耐用年数が過ぎている時
分電盤自体は、取替え推奨時期が設定されていませんが、分電盤に内蔵されているブレーカーの寿命は製造後約13年とされています。
そのため、新築住宅でも10年〜15年程度経過したら、分電盤の耐用年数が到来したものと考えるべきです。
ブレーカーが機能していない状態で、電気を使い続けることは大変危険なので、分電盤の交換工事を行いましょう。
分電盤の寿命が近づくと、理由もなくブレーカーが頻繁に落ちるようになるので、目安になります。
また、分電盤から、異音がしたり、焦げ臭いがしている場合は、すぐに分電盤の点検や交換工事を依頼すべきです。
エアコン等消費電力の大きい家電を新たにつける時
エアコン等の消費電力の大きい家電を新たにつける時は、既存の回路では対応できないため、新たな回路を回さなければならないことがあります。
特にエアコンは専用回路が必要なので、新たに回路を回す工事と、分電盤の交換工事が必要です。
エアコン以外では、IHクッキングヒーター、食器洗い乾燥器なども消費電力が大きいため、分電盤の工事が必要になることもあります。
家族が増えた時
家族が増えた時は、その分、電気をたくさん使うようになるため、契約アンペアの見直しが必要になります。
世帯人数と一般的な契約アンペア数は次のとおりです。
1人 | 20A〜30A |
2人 | 30A〜40A |
3人 | 40A〜50A |
4人 | 50A以上 |
契約アンペアの見直しを行ったときは、同時に分電盤の交換を行い、電力を効率的に管理できるようにするとよいでしょう。
分電盤工事の流れ
分電盤の工事は、電気工事士のみが行うことができます。一般の方が分電盤を購入して自分で交換することはできませんので注意してください。
分電盤工事の流れを紹介します。
現地調査
電気工事士が現場の分電盤を確認します。
専用回路を設置する必要があり、空きがない場合は分電盤の交換が必要になります。
分電盤だけでなく、電気の使用状況、家電製品の種類や数、家電製品を使用している場所、電気回路の状態なども合わせて確認します。
また、家族構成やライフスタイルなどもお聞きし、状況によっては契約アンペアの見直しも含めた提案を行います。
現地調査の段階で、分電盤の交換工事が必要なのか、回路の増設が必要なのかを確認します。
回路の増設では建物内に新たに配線を通す必要があります。
配線の通し方としては、屋根裏や床下などの室内からは見えない部分を通して配線する隠ぺい配線と、室内から配線が見える状態で通す露出配線があります。
露出配線なら比較的簡単に工事できますが、隠ぺい配線の場合は、配線が可能かよく検討しなければなりません。
分電盤の交換と回路の増設工事
現地調査の結果、分電盤の交換と回路の増設工事が必要となった場合は、電気工事を行います。
資材の調達や配線方法の検討も必要なので、現地調査の直後に行えるとは限りません。
また、電気工事の際は、一時的に電気の供給を停止するため、電気工事を行っている間は、家中の電気が使えなくなります。
冷蔵庫も止まるため、空にしておくなどの対策が必要になることもあります。
動作確認と引き渡し
分電盤の交換などの電気工事を終えたら、新しい分電盤や配線が正しく作動しているかどうかの点検を行います。
特にブレーカーが安全に作動しているかどうかは、住宅の安全性に直結するため、念入りにチェックします。
分電盤工事にかかる費用の目安
戸建て住宅の分電盤工事にかかる費用の目安を紹介します。
分電盤本体の価格と工事費用はおおむね次のとおりです。
分電盤本体の価格 | 2万円〜4万円 |
工事費用 | 2万円〜4万円 |
この他に、電気工事士の出張費用、廃棄処分費などもかかります。
また、回路の増設工事では、室内に配線を通す工事などを行いますので、配線や工事費用が別途かかります。
分電盤の交換は株式会社TSCにご依頼ください
分電盤の交換は、耐用年数が過ぎていたり、エアコンなどの大型家電を新設する際に必要です。
電気工事士の資格がないと行えない工事なので、必ず、専門の電気工事店にご依頼ください。
株式会社TSCは兵庫県尼崎市を中心に電気工事を承っております。
職人直営のお店なので、中間マージンはかかりませんし、通常かかる出張費も柔軟に計算させていただいており、お客様に納得していただける見積もりを提供しています。
分電盤の交換やコンセント増設工事など電気工事が必要な時は、お気軽にお問い合わせください。