古い換気扇を交換すべき理由とは?電気工事のプロが教える目安と注意点
2025/06/26
「最近、キッチンの換気扇から大きな音がする」
「お風呂場の換気扇を回しても、なんだか湿気が取れていない気がする」
ご自宅の換気扇について、このようなお悩みはありませんか?毎日使うものだからこそ、異音や性能の低下は気になるものです。その不調は、実は換気扇の交換のサインかもしれません。
古い換気扇を「まだ動くから」と使い続けると、換気能力が落ちてお部屋の空気が汚れるだけでなく、最悪の場合、火災などの思わぬトラブルに繋がる可能性もあります。
この記事では、電気工事のプロが換気扇を交換すべきタイミングの目安から、放置するリスク、ご自身でのDIYの注意点、専門業者に依頼した場合の費用相場まで、詳しく解説します。
換気扇の交換時期を見極める5つのチェックポイント
換気扇は、明確に「何年で壊れる」というものではありません。しかし、次のような症状が見られたりする場合は、交換を検討すべきサインです。
聞いたことのない異音・大きな振動
スイッチを入れた際に、以下のような今までしなかった音が聞こえませんか?
「ゴーッ」「ブーン」
✅モーターの内部で軸の劣化や、潤滑油が切れるなどの劣化が進行している可能性があります。
「カラカラ」「カタカタ」
✅換気扇のプロペラの破損や、内部の部品が外れかかっているかもしれません。
「キュルキュル」「キー」
✅モーターのベアリングが摩耗している特徴的な音です。
これらの異音は、モーターやファンに異常が起きている証拠です。放置すると、突然動かなくなるだけでなく、異常な発熱から火災の原因になることもあり、大変危険です。
また、本体がガタガタと大きく振動する場合も、内部で軸のバランスが崩れている可能性があるため注意が必要です。
換気能力の低下
✔料理中の煙が換気扇に吸い込まれない
✔お風呂場の湿気が抜けない
✔トイレの使用後の臭いがなかなか無くならない
換気扇が回っている音がするにも関わらず、このように換気能力が低下している場合は、経年劣化によるモーターの回転数減少が原因であることが多いでしょう。
フィルターやファンを掃除しても改善しない場合は、換気扇本体の寿命が考えられます。換気不足は、室内の空気環境を悪化させるだけでなく、結露やカビの発生にも繋がります。
スイッチの反応が悪い
スイッチを押してもファンが回らなかったり、動いたり止まったりを繰り返したりする場合、スイッチ自体の故障や、内部の配線の接触不良が考えられます。
特に配線部分の不具合は、漏電やショートを引き起こす危険性があるため、早急な点検が必要です。
見た目の劣化
長年の使用でこびりついた油汚れやホコリはファンの回転を妨げ、換気能力を低下させます。固着した汚れは掃除で完全に取り除くことも難しいでしょう。
また、浴室などの湿気が多い場所では、本体にサビが発生することもあります。サビが進行すると、部品が脆くなり、破損して落下する危険性もゼロではありません。
10年以上使用している
特に大きな不具合がなくても、設置から10年以上が経過している場合は注意が必要です。内部の部品は着実に劣化しており、いつ故障してもおかしくない状態です。
メーカーの部品保有期間(通常は製造終了後10年)も過ぎていることが多く、故障しても修理ができない可能性があります。大きなトラブルが起きる前に、予防的な交換を検討するのが賢明です。
故障した換気扇を放置する3つのリスク
故障した換気扇を使い続けることには、リスクが潜んでいます。「たかが換気扇」と侮らず、ご家庭にどのような危険が及ぶ可能性があるのかを正しく理解しましょう。
火災のリスク
最も注意すべきリスクが火災の発生です。
経年劣化したモーターは、内部の部品の摩耗や潤滑油切れによって異常に発熱することがあります。そこに、掃除しきれずに溜まった油汚れやホコリが溜まっていると、発火点に達して燃え移り火災を引き起こす可能性があるのです。
実際に、古い換気扇が原因の火災事故は毎年報告されており、決して他人事ではありません。
健康被害のリスク
換気扇の能力が低下すると、室内の空気がよどみ汚染物質が排出されずに溜まっていきます。
建材・家具から放出される化学物質、ハウスダストなどが原因で、頭痛やめまい、アレルギー症状などを引き起こす「シックハウス症候群」を招く恐れがあります。
ガス調理や室内で石油ストーブを使用した時などに発生する一酸化炭素も、人体にとって非常に危険なものです。
また、浴室や脱衣所の湿気が排出されないと、カビが繁殖しやすくなります。カビの胞子を吸い込むことで、アレルギー性鼻炎や気管支喘息、肺炎などの健康被害に繋がることもあります。
家屋の劣化
換気不足による湿気や結露は、人体だけでなく建物にも悪影響を及ぼします。
壁紙が剥がれたり、シミができたりするだけでなく、壁の内部や天井裏、床下などの見えない部分で結露が発生すると、柱や土台といった構造部分の腐食に繋がります。家の寿命を縮めてしまう前に、適切な換気環境を維持することが重要です。
換気扇の種類と特徴
いざ交換しようと思っても、どんな種類があるのか分からない方も多いでしょう。ここでは、一般家庭で主に使用されている換気扇の種類と特徴を解説します。
キッチンで使われる換気扇
キッチンの換気扇は、大きく「プロペラファン」と「レンジフード」の2種類に分けられます。
プロペラファン
扇風機のような羽根(プロペラ)が回転し、屋外へ直接空気を排出するタイプです。多くは壁に直接取り付けられています。
メリット
構造がシンプルで価格が安く、排気量も大きいのが特徴です。お手入れも比較的簡単です。
デメリット
外の風の影響を受けやすく、強風時には換気能力が落ちることがあります。また、気密性の高い住宅には不向きで、運転音も比較的大きめです。
シロッコファン・ターボファン
コンロ全体を覆う大きなフードが付いたタイプで、現在の主流です。フードの内部には「シロッコファン」や「ターボファン」といった、細長い羽根が筒状に取り付けられたファンが内蔵されています。これらのファンがダクトを通して屋外へ空気を排出します。
メリット
外気の影響を受けにくく、マンションなど気密性の高い住宅でも安定した換気が可能です。デザイン性も高く、お手入れが簡単な製品も増えています。
デメリット
プロペラファンに比べて本体価格や設置費用が高価になる傾向があります。ダクト内部の清掃は専門業者でないと難しい場合があります。
トイレ・浴室・洗面所で使われる換気扇
トイレや浴室、洗面所などの比較的狭い空間では、「パイプファン」と呼ばれる小型の換気扇が使用されます。天井や壁に設置され、パイプダクトを通して屋外へ湿気やニオイを排出します。人感センサー付きや24時間換気機能付きなど、様々な高機能モデルがあります。
【要注意】換気扇の交換はDIYできる?電気工事士の資格が必要なケース
「交換費用を節約するために、自分でDIYできないだろうか?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、換気扇の交換は、場合によっては専門的な「電気工事」に該当し、法律で定められた資格がなければ行うことができません。
DIYが可能なケース
ご自身で交換作業ができるのは、電気配線工事を伴わない場合に限られます。
具体的には、元々設置されている換気扇に電源コードとプラグが付いており、近くのコンセントに差し込むことで作動しているタイプです。この場合、同じサイズ・同じタイプの製品に交換するだけであれば、資格は不要です。
電気工事士の資格が必須なケース
次のようなケースでは、建物の電源線に直接配線を接続する電気工事が必要となり、「第二種電気工事士」以上の国家資格を持つ人でなければ作業できません。
✔換気扇の電源が、壁や天井の内部で電源線に直接接続されている場合
✔プロペラファンからレンジフードに交換するなど、異なる種類の換気扇に取り替える場合
✔換気扇の近くにコンセントがなく、新しく増設する必要がある場合
無資格者がこれらの電気工事を行うと、配線ミスによるショートや漏電、火災のリスクが非常に高まります。また、不適切な設置による本体の落下など、思わぬ事故に繋がる可能性もありますのでDIYは絶対に避けてください。
無資格での電気工事は法律違反
万が一、無資格で電気工事を行い、火災などの事故が発生した場合は「重大な過失」として火災保険が適用されない可能性があります。それだけでなく、電気工事士法に違反したとして罰則(3ヶ月以下の懲役または3万円以下の罰金)が科せられることさえもあります。
ご自身の安全、そしてご家族の安全を守るためにも、少しでも「これは電気工事が必要かも?」と感じたら、絶対に自分で判断せず、電気工事のプロフェッショナルにご相談ください。
換気扇の交換、費用はいくら?電気工事会社に依頼する場合の料金相場
専門業者に依頼する上で、最も気になるのが費用面でしょう。
換気扇の交換費用は、「換気扇本体の価格」と「交換工事費用」の合計で決まります。ここでは、それぞれの費用相場をご紹介します。
※あくまで一般的な相場であり、製品のグレードや工事内容によって変動します。
換気扇本体の価格相場
換気扇の種類 |
価格相場 |
プロペラファン(キッチン用) |
10,000円 ~ 30,000円 |
レンジフード(シロッコファン等) |
40,000円 ~ 150,000円以上 |
浴室・トイレ用ファン |
5,000円 ~ 25,000円 |
交換工事費用の相場
交換内容 |
費用相場 |
プロペラファン同士の交換 |
15,000円 ~ 30,000円 |
レンジフード同士の交換 |
25,000円 ~ 50,000円 |
浴室・トイレ用ファンの交換 |
15,000円 ~ 30,000円 |
プロペラファンからレンジフードへの交換 |
40,000円 ~ 70,000円 |
費用が変わる要因(追加工事など)
上記の相場は、比較的簡単な交換作業の場合です。以下のような追加工事が必要になると、費用が加算されます。
✔壁の開口や補強工事
✔異なるサイズの換気扇を取り付ける場合
✔ダクトの新規設置・延長工事
✔レンジフードを新設する場合など
✔コンセントの増設・移設工事
✔電源が近くにない場合
✔高所作業
✔特殊な足場が必要な場合
正確な費用を知るためには、必ず事前に業者に現地調査を依頼し、詳細な見積もりを出してもらうことが重要です。
その際には、見積もりの内訳が明確で、追加料金の有無についてもきちんと説明してくれる業者を選びましょう。
まとめ|尼崎市周辺で換気扇交換・電気工事なら株式会社TSCへお任せください
今回は、換気扇の交換目安から費用、業者選びの注意点までを解説しました。
換気扇の不調は、快適な暮らしを損なうだけでなく、火災や健康被害のリスクにも繋がる重要な問題です。そして、その交換作業には電気工事士の国家資格を要する技術者による電気工事が不可欠です。
株式会社TSCは、尼崎市を中心に、伊丹市、西宮市、宝塚市などで地域に密着し、数多くの電気工事を手掛けてまいりました。経験豊富な有資格者のスタッフが、お客様のご自宅の状況をしっかりと確認し、最適な換気扇のご提案から、安全・確実な設置工事まで、責任を持って対応いたします。
どんな些細なご不安やお悩みでも構いません。まずはお気軽にご相談ください。お客様が安心して快適な毎日を送れるよう、電気工事のプロとして全力でサポートさせていただきます。