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IHクッキングヒーターの導入に必要な電気工事とは?設置前に確認すべきこと

2025/06/26

安全性や機能性の高さから人気のIHクッキングヒーターですが、導入の際に多くの方がつまずくのが「電気工事」の存在です。「どんな工事が必要なの?」「費用はどれくらいかかるの?」「そもそも我が家に設置できるの?」といった疑問や不安から、一歩踏み出せないでいる方も少なくありません。
インターネットで「IHヒーター 電気工事」と検索しても、専門用語が多くて分かりにくかったり、業者によって書いてあることが違ったりと、混乱してしまうこともあるでしょう。
そこでこの記事では、電気工事のプロがIHクッキングヒーターを導入するために本当に必要な電気工事の内容から、事前にご自身で確認できるチェックポイント、気になる費用の相場、そして失敗しない業者の選び方まで分かりやすく解説していきます。

IHクッキングヒーターの5つのメリット

まずはIHクッキングヒーターがなぜこれほどまでに選ばれているのか、ガスコンロと比較しながらそのメリットを整理してみましょう。

①火を使わない安心感と安全性

最大のメリットは、何と言っても「火を使わない」ことです。ガスコンロのように直接火が出ないため、衣服への着火や、吹きこぼれによる立ち消え・不完全燃焼といった心配がありません。
小さなお子様やご高齢の方がいるご家庭では、この安全性が決め手になるケースが非常に多いです。また、消し忘れ防止機能や鍋なし自動OFF機能など、安全機能が充実しているのもIHクッキングヒーターのメリットです。

②お手入れのしやすいフラットな天板

ガスコンロの掃除で最も手間がかかるのが、複雑な形状の「五徳(ごとく)」です。IHはトッププレートがフラットなガラス製なので、調理後の油はねや汚れもサッと拭くだけで完了します。面倒な五徳の焦げ付きをゴシゴシ洗う作業から解放され、毎日のキッチン掃除が格段に楽になります。

③高火力と高い熱効率

「IHはガスに比べて火力が弱いのでは?」というのは、今や昔の話です。現在のIHは非常にパワフルで、ガスコンロのハイカロリーバーナーに匹敵、あるいはそれ以上の火力を出すモデルも少なくありません。
さらに重要なのが「熱効率」の違いです。ガスコンロはその構造上、調理器具に伝わらず逃げてしまう熱が発生します。そのため、一般的な熱効率は約40〜50%とされています。
それに対して、IHクッキングヒーターの熱効率は約90%と非常に高い数値を誇ります。これは、発生した熱のほとんどが無駄なく鍋やフライパンに伝わることを意味し、調理時間の短縮にも繋がります。

④夏場もキッチンが熱くなりにくい

IHクッキングヒーターは火を使わないため、調理中に燃焼による熱気が発生しません。特に夏場のキッチンではその差は歴然です。
上昇気流も起きにくいため、油の飛び散りが少なく、換気扇の汚れが軽減されるというメリットもあります。

⑤スッキリした空間とオール電化

フラットでシンプルなデザインは、どんなキッチンにも馴染みやすく、空間全体をモダンで洗練された印象に見せてくれます。
また、ご家庭のエネルギーを電気に一本化する「オール電化契約」を検討している場合、電力会社から割引が受けられる可能性が高いうえに、ガス基本料金が不要になり光熱費をまとめて管理できるようになります。

IH導入の必須条件!ご自宅の「200V電源」を確認しよう

IHクッキングヒーターを設置する上で、最も重要なのが200V(ボルト)の専用電源です。
テレビや電子レンジなど、ご家庭にあるほとんどの電化製品は100Vのコンセントで動いています。しかし、パワフルなIHクッキングヒーターは消費電力が非常に大きいため、100Vではパワーが足りず、200Vの電圧に対応した専用の電気回路が必要不可欠なのです。
うちには200Vなんて来てないかも…」と不安に思うかもしれませんが、ご安心ください。2002年以降に建てられた一戸建てやマンションであれば、ほとんどの場合、各家庭の分電盤まで「単相3線式」という200Vが使用できる方式で電気が引き込まれています。

分電盤で「単相3線式」をチェック!

ご自宅の分電盤を開けて、メインとなる一番大きなブレーカー(アンペアブレーカー)を見てみてください。そこから出ている電線が「赤・白・黒」の3本であれば、それが「単相3線式」の証拠です。この状態であれば、比較的簡単な工事でIH用の200V電源を確保できます。
もし、電線が2本(黒と白、もしくは赤と白)しかない場合は「単相2線式」となり、200Vの機器は使用できません。この場合、電力会社への申請と、電柱から家までの電線を引き換える「幹線引込工事」という大掛かりな工事が必要になる可能性があります。築年数が古いお住まいの場合は、まずこの点を確認することが重要です。

ケース別】IHヒーター設置に必要な電気工事の具体的な内容と流れ

ご自宅の分電盤が「単相3線式」であることを確認できたら、次はキッチンまで200Vの専用回路を配線する工事が必要になります。工事の内容は、分電盤の状況やキッチンの場所によっていくつかのケースに分かれます。

ケース1】分電盤に200V用の空きブレーカーがあり、キッチンに専用コンセントがある場合

これは、以前にIHや200V仕様のオーブンなどを使用していた場合に考えられる、最も簡単なケースです。既存のコンセントがIHに対応するものであれば、簡単な接続作業や本体の入れ替えだけで済むこともあります。ただし、コンセントの形状や容量が適合するかはプロの判断が必要です。

ケース2】分電盤に空きブレーカーはあるが、キッチンに200Vコンセントがない場合

これが最も一般的で、ほとんどのご家庭がこの工事に該当します。
【工事の流れ】
分電盤に200V用の子ブレーカーを設置
分電盤の空きスペースに、IHクッキングヒーター専用となる200Vのブレーカーを取り付けます。
分電盤からキッチンまで配線
(取り付けたブレーカーから、IHクッキングヒーターを設置する場所まで専用のケーブルを配線します。多くの場合、天井裏や壁の中、床下などを利用して、ケーブルが露出しないように隠蔽配線を行います。)
キッチンに専用コンセントを設置
(配線したケーブルの先に、IHクッキングヒーターのプラグに対応した200V/30Aの専用コンセントを取り付けて完了です。)

ケース3】分電盤に空きブレーカーがない場合

分電盤のすべてのスペースが埋まっている場合は、専用回路を増設する前に分電盤自体を交換するか、増設用のボックスを取り付ける必要があります。これにより、工事費用が少し高くなります。

要注意!IHヒーター専用コンセントの形状

エアコンにも200Vの製品があるため、「エアコンのコンセントが使えるのでは?」と考える方がいらっしゃいますが、これは間違いです。IHクッキングヒーターはエアコンよりもさらに大きな電流を扱うため、プラグやコンセントの形状が異なります。
一般的なIHクッキングヒーターには「250V 30A 接地極付コンセント」という規格のコンセントが必要です。間違ったコンセントを使用すると、発熱や火災の原因となり大変危険です。

IHクッキングヒーター電気工事の料金相場

やはり一番気になるのは、工事に掛かる費用だと思います。電気工事の料金は、建物の構造や配線の距離、分電盤の状況などによって変動するため一概には言えませんが、ここでは一般的な目安となる料金相場をご紹介します。
【工事内容別の費用相場(IH本体価格・設置費は別途)】

工事内容 費用相場 備考
専用回路増設工事

(ケース2)

30,000円 ~ 50,000円 最も一般的な工事です。

配線距離や難易度で変動します。

分電盤交換工事

(ケース3)

60,000円 ~150,000円 上記の専用回路増設工事費に加えて、この費用がかかります。
幹線引込工事

(単相2線式からの変更)

150,000円 ~ 電力会社への申請費用も含まれます。

状況により大きく変動します。

上記の金額はあくまで「電気工事のみ」の費用目安です。これに加えて「IHクッキングヒーター本体の価格」と「既存ガスコンロの撤去・IH本体の設置費用」が別途必要になります。

信頼できる電気工事業者の選び方

安全に関わる重要な電気工事だからこそ、業者選びは慎重に行う必要があります。価格の安さだけで選んでしまい、後からトラブルになるケースも少なくありません。
ここでは、プロの視点から「信頼できる業者」を見極めるための5つのチェックポイントをご紹介します。

「電気工事士」の国家資格を持っているか?

IHクッキングヒーターの専用回路増設工事は、「電気工事士」という国家資格がなければ行ってはいけません。これは「電気工事士法」という法律で定められています。
無資格での工事は、火災や感電事故に繋がる重大な欠陥を生む可能性があります。必ず有資格者が在籍しているか、会社のウェブサイトや名刺などで確認しましょう。

建設業許可や登録電気工事業者としての登録があるか?

電気工事業を営むには都道府県への「登録電気工事業者」の登録が必要です。また、一定規模以上の工事を請け負う際には「建設業許可(電気工事業)」が必要になります。
これらは一定の技術力や経営基盤があることの証明にもなり、信頼できる業者を判断する際の目安にもなります。会社のウェブサイトの会社概要ページなどで確認できることが多いですが、見積もり依頼の際に業者に直接確認してもよいでしょう。

豊富な施工実績があるか?

その業者がどれだけIH設置工事の経験を積んでいるかは、非常に重要な判断材料です。ウェブサイトに具体的な施工事例が数多く掲載されていれば、様々な現場に対応できるノウハウを持っている証拠と言えるでしょう。

見積もりが明確で、質問に丁寧に答えてくれるか?

「工事一式 〇〇円」といった大雑把な見積もりではなく、「部材費」「配線工事費」「コンセント設置費」など、内訳がきちんと記載されているかを確認しましょう。
また、見積もりの内容について質問した際に、専門用語を使わずに分かりやすく、誠実に説明してくれるかどうかも大切なポイントです。

損害保険(PL保険など)に加入しているか?

どれだけ腕の良い職人が慎重に作業しても、万が一という事態は起こり得ます。
工事中に誤って家財を傷つけてしまった場合などに備え、事業用の損害保険に加入している業者であれば、より安心して任せることができるでしょう。

まとめ|尼崎市周辺でのIHヒーター工事なら株式会社TSCへお任せください

今回は、IHクッキングヒーターの導入に必要な電気工事について、詳しく解説してきました。
IHには安全性や清掃性など多くのメリットがある
設置には原則として「200Vの専用電気回路」が必要
ご自宅の分電盤で「単相3線式」かどうかが最初のチェックポイント
工事内容はご家庭の状況によって異なり、費用も変動する
安全な工事のためには、信頼できる業者選びが何よりも重要
これらのポイントを押さえておけば、きっとスムーズにIH導入計画を進めることができるでしょう。
私たち株式会社TSCは、尼崎市を中心に、これまで多くのIHクッキングヒーター設置工事を手掛けてまいりました。

「うちの場合は、どの工事が必要で、総額はいくらになるんだろう?」
「まずは専門家の意見を聞いてみたい」
そんな時は、ぜひお気軽に私たち株式会社TSCにご相談ください。お客様のご自宅の状況をしっかりと確認し、最適なプランをご提案させていただきます。

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