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災害に備える家庭電気工事!停電・落雷対策の基礎知識

2025/09/29

近年、日本各地で頻繁に起こる自然災害のニュースを見て、「うちも何か備えをしておかないと…」と心配されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。特に、私たちの暮らしに欠かせない電気が突然使えなくなってしまうと、想像以上に大変なことになります。
この記事では、ご家庭ですぐに始められる停電対策から、プロの電気工事士だからこそ提案できる本格的な災害対策まで解説します。
何から始めたらいいかわからないという方も、この記事を読めば、災害に強い家づくりの第一歩が踏み出せるはずです。

「電気の災害対策」の必要性

地震、台風、ゲリラ豪雨など、災害の種類はさまざまですが、その多くが「停電」を引き起こす可能性があります。
電気が止まると、私たちの生活はどうなるでしょうか。

照明が使えない
夜間に停電が起きれば、家の中は真っ暗になり、移動すら危険になります。
情報が得られない
テレビやパソコンが使えず、スマートフォンも充電が切れれば、災害に関する重要な情報を得られなくなります。
食料の保存や調理が難しくなる
冷蔵庫が止まってしまうと、夏場はすぐに食材が傷んでしまいます。IHクッキングヒーターや電子レンジも使えません。
通信手段が断たれる
Wi-Fiルーターの電源が落ち、固定電話も電源が無いと使えない機種が増えています。
暑さ・寒さ対策ができない
夏はエアコンや扇風機、冬は暖房器具が使えず、体調を崩す原因になります。
防犯面での不安
電動シャッターが開かなくなったり、セキュリティシステムが停止したりする可能性があります。

このように、停電は私たちの生活の基盤を揺るがす深刻な事態です。
さらに、近年では「落雷」による被害も増加傾向にあります。雷が直接家に落ちなくても、近くの電線などに落ちる「誘導雷」によって、過大な電圧・電流が電線を伝って家の中に侵入し、家電製品をまとめて故障させてしまうケースが少なくありません。

まずは自分でできる!停電・災害への備え

まずは、ご家庭ですぐに始められる基本的な備えを確認しておきましょう。

最低限揃えておきたい「防災グッズ

日頃から、停電に備えたグッズを準備しておきましょう。下記のようなグッズを防災リュックにまとめておくと、いざという時にスムーズに行動できます。
・懐中電灯・ランタン
・乾電池
・モバイルバッテリー
・手回し充電ラジオ
アウトドア用の「ポータブル電源」を購入し、常に満充電状態にしておけば、より安心です。

停電時にあわてないための「初動マニュアル

万が一、停電が発生したら、落ち着いて以下の行動をとりましょう。
✅身の安全を確保する
足元に物が散乱していないか、懐中電灯などで確認しながら安全な場所に移動します。
✅停電の原因を確認する
まずは自宅の分電盤をチェックしましょう。ブレーカーが落ちているだけなら、自分で復旧できる可能性があります。ご近所も停電している場合は、地域一帯の停電と考えられます。電力会社のウェブサイトなどで復旧情報を確認しましょう。
✅家電の電源プラグを抜く
ドライヤーやアイロン、電気ストーブなど、熱を発する家電のプラグは必ず抜いておきましょう。復旧した際に再び作動し、火災の原因になるのを防ぐためです。パソコンなどの精密機器も、復旧時の急な通電による故障を防ぐためにプラグを抜いておくのがおすすめです。

ブレーカーが落ちた場合の安全な復旧手順

停電の原因がご自宅のブレーカーにある場合、以下の手順で復旧を試みてください。
すべてのブレーカーを「切」にする
分電盤にある一番大きな「アンペアブレーカー」、次に「漏電ブレーカー」、そして各部屋につながる「安全ブレーカー」のすべてをオフにします。
大きなブレーカーから「入」にする
「アンペアブレーカー」⇒「漏電ブレーカー」の順番でオンにします。
安全ブレーカーを一つずつ「入」にする
小さい「安全ブレーカー」を一つずつ、ゆっくりとオンにしていきます。
もし、特定の安全ブレーカーをオンにした瞬間に再び漏電ブレーカーが落ちる場合は、その回路が漏電しているか、接続されている家電に問題がある可能性が高いでしょう。その回路は使わずに、専門の電気工事店に調査を依頼してください。
分電盤の詳しい見方や役割については、こちらの記事でも解説していますので、ぜひご覧ください。

電気工事で実現する本格的な災害対策

日用品の備えに加えて、住宅設備そのものを災害に強くすることで、安心のレベルは格段に上がります。ここからは、電気工事のプロがおすすめする「停電・落雷対策」をご紹介します。

地震対策】感震ブレーカーで通電火災を防ぐ

阪神・淡路大震災や東日本大震災では、地震の揺れそのものによる火災よりも、電気が復旧した際に発生する「通電火災」が大きな問題となりました。
通電火災とは、倒れた電気ストーブや損傷した配線などに電気が再び流れることで発生する火災のことです。
この通電火災を防ぐための有効な対策が「感震ブレーカー」の設置です。感震ブレーカーは、設定値以上の揺れを感知すると、自動的にブレーカーを落として電力供給を遮断してくれる装置です。これにより、避難して誰もいない家で火災が発生するリスクを大幅に減らすことができます。
感震ブレーカーには、分電盤に内蔵するタイプや、コンセントに直接取り付けるタイプなど、いくつか種類があります。ご家庭の状況に合わせて最適なものを選ぶことが大切ですので、ぜひ一度ご相談ください。

停電対策】蓄電池で停電時も電気が使える

「停電しても、最低限の電気は使えるようにしたい」というニーズに最も応えられるのが「家庭用蓄電池」です。
蓄電池は、その名の通り電気を蓄えておくことができる設備です。普段は電気代の安い深夜電力を蓄え、昼間に使うことで電気代の節約にも貢献しますが、災害時には非常用電源として大きな力を発揮します。
蓄電池の容量にもよりますが、例えば以下のようなことが可能になります。
✅最低限の照明を確保し、夜間の不安を解消
✅スマートフォンの充電ができ、家族の安否確認や情報収集が可能
✅冷蔵庫を動かし続け、食料の腐敗を防ぐ
✅テレビをつけて、災害情報をリアルタイムで確認
✅夏場や冬場にエアコンや電気毛布などを短時間使用し、体力の消耗を防ぐ
蓄電池には、特定の部屋やコンセントだけをバックアップする「特定負荷型」と、家全体の電気をバックアップする「全負荷型」があり、ライフラインの維持を重視するなら、給湯器やIHクッキングヒーターも使える「全負荷型」がおすすめです。

停電対策+節電】太陽光発電システムとの連携でさらに安心

ご自宅に太陽光発電システムを設置している、または検討している場合、蓄電池との連携は非常に効果的です。
日中は太陽光で発電した電気を使い、余った電気を蓄電池に充電することができます。夜間に貯めた電気を使えば家庭の電気代を節約することも可能です。
停電が長引いた場合でも、天候が回復すれば日中に電気を作り蓄えることができるため、自給自足のエネルギーサイクルが実現します。

話題の「V2H」で電気自動車が”動く蓄電池”に

電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)にお乗りの方には、「V2H(Vehicle to Home)」というシステムの導入もおすすめです。
V2Hは、電気自動車の大容量バッテリーに蓄えられた電気を、家庭用の電力として使用できるようにするシステムです。一般的な家庭用蓄電池よりもはるかに大容量の電気を蓄えているため、停電時には数日間にわたって家中の電力を賄うことも可能です。まさに「走る蓄電池」として、災害時の強力な味方になってくれます。

落雷対策】避雷器(SPD)で過電流から家中の家電を守る

「雷が鳴ったら家電のコンセントを抜く」というのは、昔から言われている有効な対策です。しかし、家に誰もいない時や、就寝中に雷が発生したらどうでしょうか。すべてのコンセントを抜いて回るのは現実的ではありません。
そこで活躍するのが「避雷器(SPD)」です。
避雷器とは、落雷によって電線に発生した異常な高電圧(雷サージ)が家の中に侵入するのを防ぎ、安全に地面に逃がしてくれる装置です。分電盤に内蔵するタイプが一般的で、これを設置しておけば、コンセントを抜かなくても家中の家電製品を雷サージから守ることができます。
パソコン、テレビ、冷蔵庫はもちろん、給湯器やインターホン、インターネットのルーターなど、有線でつながっているすべての機器を保護の対象とします。一度の落雷で高価な家電が全滅…といった最悪の事態を避けるために、非常に有効な投資と言えるでしょう。

まとめ|ご家庭に合った災害対策は地域のプロにご相談ください

今回は、災害に備えるための家庭の電気対策について、ご自身でできることからプロによる電気工事まで幅広くご紹介しました。
これらの設備は、決して安い買い物ではありません。しかし、万が一の際にご家族の命と暮らしを守るための「安心への投資」と考えることができます。
私たち株式会社TSCは、兵庫県尼崎市を中心に地域に根ざした電気工事を行っています。地域密着だからこそ、お客様一人ひとりのご家庭の状況をしっかりとヒアリングし、最適な防災電気工事のプランをご提案することが可能です。
「まずは話だけ聞いてみたい」「うちの分電盤を一度見てもらいたい」そんなご要望も大歓迎です。
災害への備えに「早すぎる」ということはありません。この記事をきっかけに、少しでもご家庭の防災について考える機会になれば幸いです。
電気のことでお困りの際は、どんな小さなことでも、お気軽に株式会社TSCまでお問い合わせください。

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