オール電化住宅のメリット・デメリットを徹底比較
2025/11/26
近年のリフォーム相談で増えているのが「オール電化にするべきか、ガス併用のままにするべきか」という内容です。
かつては「光熱費が安くなる」という理由で選ばれていたオール電化ですが、「本当にメリットがあるの?」と不安に思われる方も少なくありません。また、災害時のリスクを心配される声も現場でよく耳にします。
そこで今回は、現場を知り尽くした電気工事士の視点から、オール電化住宅のメリット・デメリットを徹底比較します。ネット上の表面的な情報だけでなく、実際に導入されたお客様の「生の声」や、施工現場だからこそわかる「設備の選び方」、そして現在のエネルギー事情を踏まえた「賢い付き合い方」まで、詳しく解説していきます。
そもそも「オール電化住宅」とは?

オール電化住宅とは、家庭内で使用するすべてのエネルギーを「電気」でまかなう住宅のことを指します。
具体的には、これまでガスを使っていた「調理」「給湯」「暖房」といった機能を、電気機器に置き換えます。
光熱費の管理がしやすくなるのが特徴ですが、導入には生活スタイルの変化も伴います。
オール電化へのリフォームに必要な設備
オール電化にするためには、下記のような設備が必要になります。
✅エコキュート(自然冷媒ヒートポンプ給湯機)
大気中の熱エネルギーを集めてお湯を沸かす、オール電化の要(かなめ)となる設備です。
エアコン同様にヒートポンプ技術で大気中の熱を活用するためエネルギー効率が高いのが特徴で、従来の電気温水器(ヒーターで直接温めるタイプ)に比べて、電気代は約1/3〜1/4程度に抑えられます。
設置には、貯湯タンクユニットとヒートポンプユニットの2つを置くスペースが必要です。隣家との距離が近い場合、低周波音への配慮も必要となりますので、設置場所の選定はプロの判断が不可欠です。
✅IHクッキングヒーター
IHクッキングヒーターは、磁力線で鍋自体を発熱させる調理器具です。火を使わない高い安全性、熱効率の良さによる素早い湯沸かし、そしてフラットな天板による掃除のしやすさが主な特徴です。
また、最近ではグリルの清掃性が向上したモデルや、スマートフォンと連携してレシピ設定ができる高機能モデルも登場しています。
✅床暖房(ヒートポンプ式温水床暖房など)
必須ではありませんが、オール電化リフォームに合わせて導入される方が多い設備です。ガス温水式からの切り替えの場合、ヒートポンプ式の床暖房を導入することで、ランニングコストを抑えつつ足元から部屋全体を暖めることができます。
オール電化住宅導入のメリット

オール電化住宅には、安全性や経済性、そして災害対策の面で大きなメリットがあります。
火を使わないため安全性が高い
最大のメリットは「火を使わない」ことによる安全性です。
IHクッキングヒーターは直火が出ないため、袖口への引火や、消し忘れによる火災のリスクが格段に下がります。特に小さなお子様がいるご家庭や、高齢のご両親がおられる世帯でのリフォームでは、この「安心感」を理由に導入されるケースが圧倒的に多いです。
また、ガス漏れや不完全燃焼による一酸化炭素中毒の心配がない点も、密閉性の高い現代の住宅においては大きな利点と言えます。
基本料金を一本化できる
ガス併用住宅の場合、「電気の基本料金」と「ガスの基本料金」の両方を支払う必要があります。オール電化にするとガスの契約が不要になるため、ガスの基本料金(月額1,000円〜2,000円程度)が丸ごと削減できます。
「たかが千円」と思われるかもしれませんが、10年、20年と住み続けるマイホームにおいては、数十万円単位の節約効果を生み出します。
お湯や暖房を安価な「深夜電力」で作れる
オール電化向けの電気料金プラン(関西電力エリアであれば「はぴeタイムR」など)は、夜間の電気代が割安に設定されています。
エコキュートは、この安い深夜電力を使って翌日分のお湯を沸き上げます。また、食洗機や洗濯乾燥機などをタイマー機能で夜間に稼働させることで、家事コストを大幅に下げることが可能です。
災害時(断水時)に生活用水が確保できる
エコキュートや電気温水器には、敷地内に大きな貯湯タンクが設置されます。万が一の災害で断水が発生した場合、タンク内の水(機種によりますが370L〜460L程度)を「非常用取水栓」から取り出し、トイレの流し水や手洗いなどの生活用水として活用することができます。
数日分の生活用水を確保できる点は、防災意識の高い方から高く評価されています。
室内の空気が汚れにくい
ガス燃焼時は水蒸気やCO2が発生し、結露やカビの原因になることがありますが、オール電化機器は燃焼を伴わないため、室内の空気をクリーンに保てます。
キッチン周りの油ハネも、ガスコンロのような上昇気流が起きにくいため広範囲に飛び散らず、IHのフラットな天板はお掃除が非常に楽です。
オール電化住宅導入のデメリット

もちろん、良いことばかりではありません。デメリットもしっかりと把握したうえでオール電化住宅を検討しましょう。
導入時の初期費用がかかる
ガス給湯器に比べ、エコキュートやIHクッキングヒーターなどの機器本体価格は高額です。また、200V電源の配線工事や分電盤の交換、コンクリート基礎工事など、電気工事・設置工事の費用も発生します。
ただし、高効率機器による住宅の電化は国の政策でもありますので、導入にあたっては国や自治体から補助金が出る可能性があります。お住まいの自治体に問い合わせるか、リフォーム業者に確認するなどして最新の情報を得るようにしましょう。
調理器具に制限がある
IHクッキングヒーターでは、アルミ鍋や土鍋など、磁石がくっつかない材質の鍋は基本的に使用できませんので、お気に入りの調理器具を買い替える必要があるかもしれません。
また、直火での「あおり調理」ができないため、料理に強いこだわりがある方には物足りない場合があります。
シャワーの水圧が弱く感じることがある
エコキュートは水道圧を減圧してタンクにお湯を貯める仕組みのため、ガス給湯器の直圧式に比べるとシャワーの水圧が弱く感じられることがあります。特に2階、3階にお風呂がある場合は顕著です。
最近では「高圧タイプ」や「パワフル高圧」といった、ガス給湯器と遜色ない水圧を維持できるエコキュートが主流になりつつあります。リフォームの際は、必ず水圧の強い機種(高圧給湯タイプ)を選定することをお勧めします。
停電時はすべての機能がストップする
「電気が止まると何もできない」というのが、オール電化最大の懸念点です。照明はもちろん、調理もお風呂も使えなくなります。
後述する「太陽光発電」や「蓄電池」、「V2H(電気自動車から家へ給電するシステム)」を組み合わせることで、停電時でも普段通りに近い生活を送ることが可能になります。
オール電化住宅は「太陽光発電+蓄電池」とのセット導入が最強
これからのオール電化は、「電力会社から電気を買うだけ」のスタイルから卒業する時期に来ています。
➀太陽光発電で、高い昼間の電気を自給自足する
②蓄電池に、安い深夜電力や余った太陽光の電気を貯める
③エコキュートを、太陽光の余剰電力で昼間に沸き上げる(おひさまエコキュート)
このように機器を連携させることで、オール電化住宅のメリットを最大化することができます。
また、電気自動車(EV)とV2H(Vehicle to Home)を併せて導入すれば、電気自動車のバッテリーを蓄電池として活用できるようになります。このパターンは災害にも強く、究極のオール電化住宅の形と言えるでしょう。
オール電化への切り替えは「地域の電気工事店」へ相談を

オール電化へのリフォームは、家電量販店やリフォーム専門会社でも依頼できますが、地域の電気工事専門店に依頼することをぜひご検討ください。
電気容量(アンペア)の正確な計算
オール電化にすると消費電力が上がります。既存の分電盤や引込線の太さが対応しているか、幹線張替え工事が必要か、といった判断は電気工事の専門知識が必要です。
容量不足のまま設置してしまうと、「料理とお風呂を同時に使うとブレーカーが落ちる」といったトラブルになりかねません。
設置場所や配管の隠蔽など、施工品質へのこだわり
エコキュートの配管が露出して見栄えが悪くなったり、ヒートポンプの設置場所が悪く近隣トラブルになったりするケースを聞くことがあります。
電気のプロは、配線を壁の中に隠す(隠蔽配線)技術や、美観を損なわないダクト処理など、見えない部分の施工品質に徹底的にこだわります。
補助金申請からアフターフォローまでワンストップ
地域密着型の電気工事店は、その地域の補助金情報に精通しており、申請サポートも可能です。
また、万が一機器に不具合が起きた際も、地元の工事店ならではのフットワークで迅速に駆けつけます。
尼崎市周辺でオール電化をご検討なら株式会社TSCへ
株式会社TSCは、尼崎市を拠点に、一般家庭の電気工事から大規模な設備工事まで幅広く対応しているプロフェッショナル集団です。
「うちはオール電化にできるの?」
「太陽光も一緒に考えたいけど、予算はどれくらい?」
「古い電気温水器からエコキュートに変えたい」
そんな疑問をお持ちの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。現場経験豊富なスタッフが、お客様のお宅に伺い、最適なリフォームプランをご提案させていただきます。
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