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ご高齢のご家庭こそ注意!感電・火災リスクを減らす電気点検のすすめ

2025/07/28

住宅が築年数を重ねると、電気配線や設備の劣化による感電・火災のリスクが心配になります。特に高齢者が住む家では、万一の事故対応が難しくなるため、より深刻な事態につながる可能性があります。

本記事ではこの懸念に対し、長年の経験を持つプロの視点から電気設備の安全について解説します。漏電の原因、感電や電気火災の発生メカニズム、家庭でできるチェックポイント、そして専門家による電気点検の重要性、具体的な事故防止策について分かりやすく説明しています。

当たり前のように使っている電気設備も、建物と同様に経年劣化は避けられません。その劣化が、ある日突然、重大な事故を引き起こす可能性があることを認識し、この記事を通じてご家庭の電気安全を見直すきっかけにしていただければ幸いです。

なぜ起こる?家庭に潜む漏電の危険な原因

漏電とは、文字通り「電気が漏れる」現象のことです。通常、電気はコードやケーブルの中を通って電化製品に供給されますが、何らかの原因でそのルートから電気が外に漏れ出してしまう状態を指します。この漏電が、感電や火災の直接的な引き金となるのです。

経年劣化による電気配線・器具の老朽化

家庭で漏電が起こる主な原因は、電気配線や電気器具の「経年劣化」です。壁内の配線を覆う絶縁体は時間と共に劣化し、ひび割れから漏電が発生することがあります。
また、コンセントやスイッチも内部部品が摩耗し、接触不良や絶縁不良を引き起こすことがあります。特に築20年以上の住宅では、見た目に問題がなくても内部で劣化が進んでいる可能性があるため注意が必要です。

ホコリと湿気が火種になる「トラッキング現象」

コンセントとプラグの間に溜まったホコリが湿気を吸うことで、電気が流れてしまう現象を「トラッキング現象」と呼びます。これは、漏電の一種であり、電気火災の非常に多い原因の一つです。
・冷蔵庫やテレビの裏など、普段掃除しにくい場所のコンセント
・キッチンや洗面所など、湿気が多い場所のコンセント
・加湿器や水槽の近くにあるコンセント
このような場所は特にトラッキング現象が起こりやすいため定期的なチェックと清掃を推奨します。留守中や就寝中に発生することも多く、発見が遅れて大きな火災になりやすい、非常に危険な現象です。

水濡れや結露による絶縁不良

電化製品や配線が水に濡れると、絶縁が破壊されて電気が漏れやすくなります。
・屋外に設置されたコンセントや照明器具の劣化
・雨漏りによる天井裏の配線の水濡れ
・キッチンでの水はねや、お風呂場の湿気
・冬場の結露による壁内配線の濡れ
これらの要因も、漏電を引き起こす原因となります。特に雨漏りは、気づかないうちに天井裏で漏電を発生させ、ある日突然火災が起こるという最悪のケースも考えられます。

ネズミなどの害獣による配線のかじり被害

ネズミなどの害獣が天井裏や壁の中の配線をかじってしまい、中の銅線が剥き出しになって漏電するケースもあります。
「最近、天井裏で物音がする…」といった場合は、害獣の被害も疑ってみる必要があるかもしれません。

漏電が引き起こす「感電」と「電気火災」のメカニズム

では、漏電が発生すると、なぜ感電や火災といった深刻な事態に発展するのでしょうか。そのメカニズムを知ることで、電気点検の重要性がより深くご理解いただけるはずです。

人が感電する仕組みと高齢者のリスク

感電とは、人の体に電気が流れて衝撃を受けることです。漏電している電化製品の金属部分に触れたり、濡れた手でコンセントやスイッチを操作したりした際に、人の体を通して電気が地面に流れようとすることで発生します。
人の体は電気を通しやすいため、電圧の低い家庭用の100Vの電気でも、条件次第では死に至る可能性があります。特に、心臓に電気が流れると心室細動(心臓のけいれん)を引き起こし、非常に危険です。

小さな漏電が大規模な「電気火災」に

漏電による火災は、漏電している箇所が熱を持つことで発生します。
電気が漏れている部分は、いわば抵抗が大きな状態になっています。そこに電気が流れ続けると熱が発生し、徐々に温度が上昇します。やがて高温になると、近くにある木材や断熱材、ホコリなどに引火し火災へと発展するのです。これが「電気火災」です。
壁の中など見えない場所で発生することが多いため発見が遅れがちで、気づいた時にはすでに手が付けられないほど燃え広がっている、という特徴があります。トラッキング現象による火災も、この電気火災の一種です。

「漏電ブレーカー」があるから安心、は間違い?

うちは漏電ブレーカーが付いているから大丈夫」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。確かに、漏電ブレーカー(漏電遮断器)は、漏電を検知すると自動的に電気を止めてくれる、非常に重要な安全装置です。
しかし、その漏電ブレーカーも万能ではありません。

・設置されていない、または正常に作動しないケース
築年数の古い住宅では、そもそも漏電ブレーカーが設置されていない場合があります。設置されていても耐用年数(一般的に10〜15年)を過ぎて故障しているケースもあるでしょう。

・微弱な漏電を検知できないケース
漏電ブレーカーが作動するのは、一定以上の電流が漏れた場合です。作動に至らない微弱な漏電が長時間続くことで、じわじわと熱を持って発火に至る「低温発火」という火災のリスクもあります。

漏電ブレーカーは重要な安全対策の一つですが、それだけに頼るのは危険です。定期的な作動テストと、配線や設備そのものの健全性を保つための「電気点検」が不可欠なのです。

我が家の電気設備は大丈夫?電気点検の基礎知識

電気設備の点検には、法律で定められた調査と、電気工事店が行う任意の点検があります。それぞれの違いを知っておきましょう。

「電気事業法」に基づく4年に1度の定期調査とは?

4年に1度程度の頻度で地域の送配電事業者から委託された調査員が訪問し、電気設備の安全調査を行っています。これは「電気事業法」という法律に基づく調査です。
この調査では、主に漏電の有無を分電盤で測定したり、簡単な目視点検を行ったりします。これは、地域全体の電気の安全を守るための最低限のチェックであり、費用はかかりません。
しかし、この調査は壁の中の配線の状態や、個々のコンセント・スイッチの内部劣化まで詳しく調べるものではありません。この調査で「問題なし」とされても、ご家庭の電気設備が完全に安全であるという保証にはならないのです。

定期調査とプロの電気工事店による「住宅電気点検」の違い

一方で、電気工事店が行う「住宅電気点検」は、より専門的で、踏み込んだ内容になります。お客様のご心配な点をお伺いしながら、家全体の電気設備を総合的にチェックします。
【プロによる住宅電気点検の主な内容例】
✅分電盤の点検
ブレーカーの動作確認、端子の増し締め、配線の接続状態などを確認します。
✅絶縁抵抗測定
専門の測定器を使い、各電気回路の漏電の有無を数値で正確に測定します。これにより、漏電ブレーカーが作動しないような微弱な漏電の兆候も発見できます。
✅接地(アース)抵抗測定
アースが正しく機能しているか、専用の測定器で確認します。
✅配線・器具の目視・触診
コンセントやスイッチのぐらつき、変色、発熱がないか、一つひとつ丁寧に確認します。天井裏や床下に入れる場合は、配線の状態もチェックします。
✅電圧測定
各コンセントで正常な電圧がきているかを確認します。
これらの点検を通じて、目に見えない電気の異常を早期に発見し、感電や火災のリスクを根本から取り除くことが、プロによる電気点検の最大の目的です。

プロに依頼しよう!感電・火災を防ぐための具体的な対策

電気事故は、日頃の少しの注意と、専門家による適切なメンテナンスで防ぐことができます。ここでは、ご家庭でできることから、プロに依頼すべき対策まで、具体的にご紹介します。

まずはセルフチェック!こんな症状は要注意サイン

専門家による点検の前に、まずはご家庭で「電気設備の健康状態」をチェックしてみましょう。
以下のような症状が見られたら、電気設備がSOSを出しているサインかもしれません。すぐに専門家へ相談することをおすすめします。

✅ 特定の家電を使うと、よくブレーカーが落ちる
✅ 漏電ブレーカーのテストボタンを押しても、ブレーカーが落ちない
✅ 家電製品の金属部分に触れると、ピリピリと静電気のようなものを感じる
✅ コンセントやプラグが異常に熱くなっている
✅ コンセントの差し込み口が緩くなっている、ぐらぐらする
✅ コンセントカバーや照明スイッチのプレートが変色したり、ひび割れたりしている
✅ 照明がチカチカと点滅することがある
✅ どこからか焦げ臭い匂いがする
✅ コードを動かすと、電化製品がついたり消えたりする

安全の要!漏電ブレーカーの設置・交換

前述の通り、漏電ブレーカーは安全の要です。もしご自宅の分電盤に漏電ブレーカーが付いていない場合は、すぐに設置を検討しましょう。
また、すでに設置されている場合でも、耐用年数の目安である10〜15年を超えている場合は、新しいものへの交換が推奨されます。最新の漏電ブレーカーは感度も性能も向上しており、より高い安全性が期待できます。

水回りの家電には「アース線」の取り付けを

洗濯機や冷蔵庫、電子レンジ、温水洗浄便座など、水回りや湿気の多い場所で使う家電には、必ずアース線を取り付けましょう。
アース線は、万が一漏電した際に、電気を安全に地面に逃がす役割を果たします。これにより、人が触れても感電するリスクを大幅に減らすことができます。
コンセントにアース端子がない場合は、アース端子付きのコンセントへの交換工事が必要です。

信頼できる電気工事店による総合的な点検が一番の近道

セルフチェックや個別の対策も重要ですが、感電や火災のリスクを根本から解消し、本当の安心を手に入れるためには、やはりプロによる総合的な電気点検が最も効果的です。
プロは、長年の経験と専門知識、そして専用の測定器を駆使して、お客様では確認できない壁の中や天井裏の配線の状態、分電盤の細部に至るまで、電気設備全体の健康状態を診断します。

まとめ|大切なご家族と住まいを、電気のプロが守ります

今回は、ご高齢のご家庭で特に注意したい電気の危険性と、感電・火災を防ぐための電気点検の重要性について解説しました。
電気は私たちの生活に欠かせない便利なものですが、一歩間違えれば大きな事故に繋がる危険性もはらんでいます。これを機にぜひ一度ご家庭の電気設備を見直してみてはいかがでしょうか。
尼崎市周辺で、ご家庭の電気点検やコンセント交換、分電盤の改修、各種リフォームをご検討なら、地域密着で実績豊富な株式会社TSCへお気軽にご相談ください。お客様とご家族の安全で快適な毎日を、電気の専門家として全力でサポートさせていただきます。
点検の結果、問題が見つかった場合は、その原因と最適な改修方法を分かりやすくご説明し、ご納得いただいた上で必要な工事を行います。無理な工事を勧めたりすることは一切ありませんので、ご安心ください。

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