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ブレーカーが頻繁に落ちる原因とは?家庭でできるチェックポイントと対処法

2025/08/26

「特定の部屋のコンセントを使うと、決まってブレーカーが落ちる…」
「家電が増えたら、頻繁にブレーカーが落ちるようになって不便…」
このような経験はありませんか?暮らしに欠かせない電気ですが、ブレーカーが頻繁に落ちるようになると、日々の生活でストレスを感じるだけでなく「どこか故障しているのでは?」「火事になったらどうしよう」と大きな不安を抱えてしまいます。
実は、ブレーカーが落ちるのは、単なる「電気の使いすぎ」だけが原因ではありません。時には、漏電やショートといった、火災や感電事故に繋がりかねない重大なトラブルのサインである可能性も潜んでいます。
この記事を読めば、ブレーカーが落ちる原因についての知識が深まり、いざという時に落ち着いて対処できるようになります。安全・快適に電気を使うために重要な情報ですので、ぜひ最後までお読みください。

分電盤と3種類のブレーカーの役割

ブレーカーについて理解を深めるために、まずはご家庭の「分電盤」の役割と機能から説明します。

分電盤の役割

分電盤は、玄関や洗面所、脱衣所などの壁に設置されている、複数のスイッチが並んだ箱のことです。電力会社から送られてきた電気をいったんまとめて受けて、家中の各部屋やコンセントへ安全に分配する、いわば「家の電気の司令塔」のような重要な役割を担っています。

ブレーカーの役割

分電盤の中に設置されているのが「ブレーカー」です。ブレーカーは、電気の使いすぎ(過電流)や漏電といった異常を検知した際に、自動的に電気の流れを遮断(トリップ)する安全装置です。
もしブレーカーがなければ、電気回路に異常がある場合に配線が熱を持って発火したり、漏電しても電流が流れ続けて感電したりする危険性が高まります。
つまり、ブレーカーが「落ちる」のは、私たちの生活を電気の危険から守ってくれている証拠なのです。

ブレーカーの種類と見分け方

分電盤の中には、主に3種類のブレーカーが設置されています。それぞれの役割と見分け方を知っておくことが、ブレーカーが落ちる原因を特定する第一歩です。

アンペアブレーカー:契約アンペアと家全体の電気量を管理

分電盤に設置されている、一番大きなスイッチが「アンペアブレーカー」です。これは、電力会社との契約アンペア数に基づいて、家全体で一度に使える電気の最大量を管理しています。
例えば、60A(アンペア)で契約しているご家庭では、家全体で使う電気の量が60Aを超えた場合に、このアンペアブレーカーが落ちます。スイッチ部分に「60A」や「40A」といった数字が記載されていますので、目視で確認ができます。

漏電ブレーカー:漏電を検知して火災や感電を防ぐ

アンペアブレーカーの次に大きいスイッチが「漏電ブレーカー」で、「テストボタン」や「漏電表示ボタン」が付いているのが特徴です。
その名の通り、回路のどこかで漏電(電気が本来のルートから漏れ出している状態)を検知した際に作動し、電気回路を遮断します。漏電は、感電や火災を引き起こす非常に危険な現象です。漏電ブレーカーは、こうした重大な事故を未然に防ぐための、極めて重要な安全装置です。

安全ブレーカー:各部屋の回路を保護

分電盤の右側に複数並んでいる小さなスイッチが「安全ブレーカー」です。これは、リビング、キッチン、寝室、エアコン用など、各部屋や特定のコンセント回路へ電気を分配しています。
それぞれの回路で許容量を超える電気が使われた場合(使いすぎ)や、ショート(短絡)が起きた場合に、該当する回路の安全ブレーカーだけが落ちます。これにより、家全体の電気が止まるのを防ぎ、問題のある回路だけを切り離すことができます。

なぜブレーカーは落ちる?考えられる3つの原因

ブレーカーが落ちる原因は、大きく分けて3つあります。どのブレーカーが落ちたかによって、原因をある程度推測することができます。

原因①:電気の使いすぎ(過電流)

最も一般的で、多くの方が経験したことのある原因が「電気の使いすぎ」です。これは、一度に多くの電化製品を使い、契約アンペアや各回路の許容量を超えてしまった場合に発生します。
例えば、エアコン、電子レンジ、ドライヤー、電気ケトルなどの消費電力が大きい家電を家全体で同時に使用すると、契約アンペアを超えてしまい、アンペアブレーカーが落ちることがあります。
特定の回路のコンセントで、例えば電子レンジと炊飯器と電気ポットを同時に使った場合では、そのキッチンの安全ブレーカーだけが落ちます。

対処法:使用家電を減らすか、契約アンペアの見直しを

この場合の対処法は比較的シンプルです。
使用している電化製品の数を減らす
特に消費電力の大きいもの(電子レンジ、ドライヤー、エアコン、IHクッキングヒーターなど)は、同時に使うのを避ける工夫が必要です。
ブレーカーを「入」に戻す
頻繁にアンペアブレーカーが落ちる場合は、ライフスタイルの変化によって電気の使用量が増え、契約アンペア数が現状に合っていない可能性があります。電力会社に連絡し、契約アンペア数の変更を検討するのも一つの解決策です。
ただし、アンペア数を上げる場合は、分電盤や配線の状況によっては電気工事が必要になることもありますので、まずは専門家にご相談ください。

原因②:漏電

最も注意が必要な原因が「漏電」です。漏電とは、電気コードの被覆が傷ついたり、家電製品が故障したり、コンセント周りに水やホコリが溜まったりすることで、電気が本来の通り道から漏れ出してしまう現象です。
漏れ出した電気は、建物の金属部分や水分を伝って流れ、人が触れると感電する恐れがあります。また、漏電箇所が発熱し、近くのホコリや可燃物に着火して火災を引き起こすこともあり、非常に危険です。
漏電が起こると「漏電ブレーカー」が落ちます。もし漏電ブレーカーが落ちた場合は、慎重な対応が必要です。

家庭でできる漏電箇所の特定方法

漏電ブレーカーが落ちた場合、以下の手順で漏電している回路を特定できる可能性があります。作業の際は、感電防止のため、乾いたゴム手袋などを着用するとより安全です。
全てのブレーカーを「切」にする。
まず、アンペアブレーカー、そして全ての安全ブレーカーを「切(OFF)」にしてください。
メインのブレーカーを「入」にする。
次に、アンペアブレーカーと漏電ブレーカーを「入(ON)」にします。この時点では、まだ安全ブレーカーは全て「切」のままです。
安全ブレーカーを一つずつ「入」にしていく。
安全ブレーカーを、一つずつゆっくりと「入(ON)」にしていきます。
漏電ブレーカーが落ちる回路を特定する。
ある安全ブレーカーを「入」にした瞬間に、再び漏電ブレーカーが落ちた場合、その安全ブレーカーが担当している回路で漏電が発生している可能性が非常に高いです。

漏電が特定できたら、すぐに専門家へ連絡を!

漏電箇所が特定できたとしてもご自身で修理しようとするのは絶対におやめください。漏電の修理には専門的な知識と技術、資格が必要です。
漏電が疑われる回路の安全ブレーカーは「切」のままにしておき、すぐに電気工事の専門家にご連絡ください。プロが原因を正確に突き止め、安全に修理・対応いたします。

原因③:ショート(短絡)

3つ目の原因は「ショート(短絡)」です。

ショートが起こる仕組みと原因

ショートとは、本来は触れ合うはずのない2本の電線が、何らかの原因で直接接触してしまい、そこに規定値を大幅に超える大きな電流が一気に流れる現象です。
主な原因としては、
電気コードの被覆が経年劣化や家具の下敷きなどで破れてしまう
コンセントプラグにホコリが溜まり、湿気を帯びることで電気が流れてしまう(トラッキング現象)
コンセント内部に水などの液体が入ってしまう
などが挙げられます。ショートが起きると、火花が散ったり、コードが発熱・発火したりする危険性があります。この異常を検知すると、該当する回路の「安全ブレーカー」が落ちます。場合によっては、同時に漏電ブレーカーも作動することがあります。

対処法:原因の家電を特定し、使用を中止する

ショートが疑われる場合は、まずその回路に接続されている全ての電化製品のプラグをコンセントから抜いてください。コードが破損していないか、プラグ周りにホコリや焦げ付きがないかなどを確認しましょう。
原因と思われる家電製品の使用を中止し、安全ブレーカーを「入」に戻して復旧するか試します。もし復旧しても、原因となった家電は故障している可能性が高いので使用せず、買い替えなどを検討してください。コードの破損などが原因の場合は、そのコードも使用しないでください。
もし、全てのプラグを抜いても安全ブレーカーが落ちる場合は、コンセント自体や壁の中の配線に問題がある可能性があります。この場合も、ご自身で対処せず、速やかに専門家へご相談ください。

こんな症状は専門家へ!電気工事士に相談すべきケース

ご家庭で対処できるケースもありますが、中にはすぐに専門家を呼ぶべき危険なサインもあります。以下のような症状が見られる場合は、迷わずプロにご相談ください。

プロに任せるべき危険なサイン

✅原因が全く分からない
✅電気の使いすぎでもなく、漏電箇所の特定もできないのに、頻繁にブレーカーが落ちる。
✅漏電やショートが疑われる
✅漏電ブレーカーが落ちる、焦げ臭い匂いがする、コンセントが変色しているなど。
✅ブレーカーを上げてもすぐに落ちる
✅原因を取り除いたはずなのに、ブレーカーを「入」にした瞬間にまた落ちてしまう。
✅分電盤から焦げ臭い匂いや「ジー」という異音がする
✅分電盤内部の配線が劣化・緩んでいる可能性があり、大変危険です。

これらの症状を放置すると、大きな事故に繋がる可能性があります。安全のためにも、決してご自身で分電盤を開けたりせず、電気工事の専門家による点検・修理を受けてください。

分電盤の寿命かも?交換の目安は約13年

見落とされがちですが、分電盤やブレーカーにも寿命があります。一般的に、分電盤の交換の目安は約13年と言われています。
古い分電盤は、内部の配線の劣化や端子の緩みなどにより、性能が低下している可能性があります。また、現在の安全基準を満たしていない旧式のものが使われていることもあります。
自宅の分電盤がいつ設置されたものか分からない

・「漏電ブレーカーが設置されていない」
このような場合は、分電盤自体が古く、老朽化している可能性が高いと思われます。ご家庭の電気を安全に使い続けるためにも、10年以上点検していない場合は一度専門家による診断を受け、必要であれば新しい分電盤への交換をおすすめします。
最新の分電盤は安全性も高く、地震時に自動で電気を遮断する機能が付いたものなどもあります。

まとめ

ここまでブレーカーが落ちる原因と対処法について解説してきましたが、いざご自身の問題となると、「うちの場合はどれに当てはまるんだろう?」「やっぱり自分じゃ判断できない」と不安に思われる方もいらっしゃるでしょう。
そんな時は、どうぞお気軽に私たち株式会社TSCにご相談ください。
私たちは、兵庫県尼崎市を拠点に、伊丹市、西宮市、宝塚市、芦屋市、神戸市、大阪市などで、地域に密着した電気工事サービスを提供しております。一般家庭のコンセント増設や分電盤交換から、法人様向けの大規模な電気設備工事まで、豊富な経験と実績がございます。
ブレーカーのトラブルはもちろん、「コンセントを増やしたい」「IHクッキングヒーターを導入したい」「家の電気設備を全体的に見直したい」といった、リフォームに伴う電気のご相談も大歓迎です。
お客様一人ひとりのお話を丁寧にお伺いし、電気のプロとして最適なご提案をさせていただきます。現地調査やお見積もりは無料で行っておりますので、「とりあえず相談だけ」という方もご安心ください。

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