電気代を抑えるなら照明だけじゃない?見直したい家庭設備とは
2026/05/28
「電気代を少しでも下げたいけれど、何を見直せばいいのかわからない」
「家の照明をすべてLEDに交換したのに、思ったほど電気代が下がらない」
照明のLED化は手軽で効果的な節電対策のひとつですが、実は照明が占める電力消費の割合は、一般家庭全体のわずか10%程度に過ぎません。つまり、照明だけの見直しでは、電気代の大幅な削減にはつながりにくいのが現実なのです。
電気代を本気で抑えるためには、照明以外の消費電力が大きい家庭内の設備にもしっかりと目を向ける必要があります。
今回は、家庭で電気を多く使っている設備の使い方の見直しから、最新家電への買い替えによる費用対効果、さらには電気工事による根本的で確実な対策まで、幅広くご紹介します。
まずは何に電気を使っているかを正しく把握しよう

電気代を効率よく抑えるためには、やみくもに節電するのではなく、ご家庭の電力消費の内訳を知ることが大前提となります。
資源エネルギー庁のデータによると、一般家庭における電力消費の割合は、大まかに以下のようになっています。
【夏季の電力消費割合】
1位:エアコン(約34%)
2位:冷蔵庫(約18%)
3位:照明(約10%)
4位:給湯機器(約6%)
【冬季の電力消費割合】
1位:エアコン(約33%)
2位:冷蔵庫(約15%)
3位:照明(約9%)
4位:給湯機器(約12%)

このデータから、エアコン・冷蔵庫・照明・給湯機器の4つだけで、家庭の電力消費の約7割を占めていることが分かります。電気代を抑えるためには、これら消費電力の大きい設備の使い方を優先的に見直すことが、最も効率が良い節電につながるのです。
【設備別】電気代を大きく抑える使い方のポイント

家電の買い替えや大掛かりなリフォーム工事をしなくても、まずは毎日の使い方を少し見直すだけで、電気代は確実に削減できます。
消費電力の大きい設備ごとに、今すぐ実践できる具体的なポイントをご紹介します。
エアコン
エアコンは夏も冬も家庭の電力消費のトップです。それだけに、使い方の工夫で得られる節電効果も大きくなります。
✅設定温度を見直す
環境省が推奨する室温の目安は、冷房時28℃・暖房時20℃です。設定温度をたった1℃変えるだけで、消費電力は約10%も変わるとされています。
室内に温度計を置いて、実際の室温をチェックする習慣をつけましょう。
✅風量は「自動」に設定
「弱」で運転する方が常に省エネだと思いがちですが、実は「自動」設定が最も効率的です。
設定温度に達するまで一気に風を送り、到達後は最小限の運転に切り替わるため、結果的に消費電力が最も少なくて済みます。
✅扇風機・サーキュレーターを併用する
冷暖房の空気を部屋全体に循環させることで温度のムラがなくなり、エアコンの設定温度を控えめにしても快適に過ごせます。
エアコン本体の負荷が下がるため、電気代の削減効果は非常に大きくなります。
✅フィルター掃除をマメに
フィルターにホコリが溜まると、空気を吸い込むために余分なパワーが必要となり、冷暖房効率が大幅に低下します。2週間に1回程度の掃除を習慣にするだけで、年間で数千円の節約になるケースもあります。
冷蔵庫
冷蔵庫は電源を切ることができないため、日々の使い方の工夫が年間の電気代にダイレクトに影響します。
✅設定温度を「中」にする
季節に応じて設定温度をこまめに見直しましょう。周囲の温度がそれほど高くない春や秋、冬の時期に「強」のまま運転し続けるのは、電力の無駄遣いです。
「中」に切り替えるだけで、年間1,000〜2,000円程度の節約になります。
✅庫内に食材を詰め込みすぎない
庫内にスペースがないと冷気の循環が悪くなり、冷却に余分な電力がかかります。一方、冷凍庫に関しては凍った食品自体が保冷剤の役割を果たすため、ある程度隙間なく詰めておいた方が省エネになります。
✅壁から適切な距離を確保する
冷蔵庫の背面や側面には、機器の熱を逃がすための放熱スペースが必要です。壁にぴったりと密着させていると冷却効率が下がり、余分な電力を使ってしまいますので取扱説明書に従って適切な距離を保ちましょう。
給湯機器
意外と見落とされがちですが、給湯に使うエネルギーは家庭全体の消費の中でも大きな割合を占めます。
特に水温が下がる冬場は、お湯を沸かすための給湯エネルギー消費が跳ね上がります。
✅お湯の設定温度を適切にする
設定温度を下げるだけで、光熱費の確実な削減につながります。特に、食器洗いの際に、必要以上に高温のお湯を使い続けているケースがよく見られます。冬場でも38〜40℃程度に設定すれば十分快適に使え、油汚れも落ちます。
✅お風呂は続けて入る
お風呂の追い焚きや長時間の保温機能は消費電力が非常に大きいため、家族がお風呂に入るタイミングをなるべく合わせることで、無駄な電力消費を大きく抑えられます。
古い家電の買い替えで電気代は劇的に下がる

10年前の家電と最新モデルでは、省エネ性能に決定的な技術の差があります。節電効果で短期間で購入費用を回収できるケースも多いため、買い替えも検討しましょう。
エアコンと冷蔵庫の買い替え効果
10年以上前の古いエアコンを最新の省エネモデルに買い替えると、年間の電気代が大幅に削減される場合があります。最新のモデルは、エネルギー効率が高くなっているだけでなく、センサー機能で部屋にいる人の位置や温度状況に合わせて無駄なく運転してくれるため、省エネ性能が格段に向上しています。
また、冷蔵庫は365日休まず動き続ける家電だからこそ、省エネモデルへの買い替え効果が日々着実に積み上がります。最新モデルは高性能な断熱材やコンプレッサーの進化により、10年前と比べて約20〜30%の省エネを実現しており、年間で数千円の電気代削減が見込めます。
迫る「2027年問題」を見据えた計画的な対策

家電の買い替えを検討する際、ぜひ知っておきたいのがエアコンと照明に関わる「2027年問題」です。
エアコンの2027年問題
2027年度から、国が定めるエアコンの省エネ基準(トップランナー基準)が大幅に強化されます。これにより、現在の低価格帯モデルの多くが新基準を満たせなくなり、製造や販売が困難になるため、エアコン市場全体の店頭価格の上昇が予想されています。
また、環境規制により古いエアコンの冷媒ガス(フロンガス)が入手困難になり、ガス漏れなどの際に修理ができなくなるリスクも高まっています。
照明の2027年問題
2027年末までに、国内での一般照明用蛍光灯の製造および輸出入が全面的に禁止されることが決まっています。
今後、蛍光灯のランプ自体が入手困難になり価格も高騰するため、現在蛍光灯をお使いのご家庭は、早急にLED照明への交換を検討すべきタイミングに来ています。
補助金や統一省エネラベルの活用
国や自治体では、省エネ家電への買い替えに対する補助金やポイント還元制度を実施していることがあります(例:東京ゼロエミポイントや各市町村の独自の支援事業など)
また、製品選びの際は店頭やカタログにある「統一省エネラベル」を必ず確認しましょう。星マークが3以上の製品を目安に選ぶと、確実な省エネ効果を得られ、補助金申請の条件もクリアしやすくなります。
(関連記事)照明・エアコン・給湯器…電気代を抑える家電の使い方を徹底解説
電気工事で実現する根本的な節電対策

ここでは、電気工事によって実現できる、より根本的な節電対策をご紹介します。
分電盤(ブレーカー)の容量見直し
築年数の古い住宅では、現在の家電の多さや消費電力に対して、分電盤(ブレーカー)の容量が根本的に不足しているケースが少なくありません。容量不足のまま使い続けると、電子レンジやドライヤーを使うたびにブレーカーが頻繁に落ちるだけでなく、電気設備に余計な負荷がかかり、電力のロスにもつながります。
逆に、省エネ家電への買い替えが進んで家全体の消費電力が下がった場合は、契約アンペア数(A)を下げることで、毎月の基本料金を安くできる可能性もあります。現在の電気使用量に合った適正な契約容量については、電気工事の専門家に診断してもらうのが確実です。
エアコン専用回路の増設と200V化工事
最新の省エネエアコンを導入したいのに、設置したい部屋にエアコンの「専用回路」がなくて取り付けられないという事例は少なくありません。消費電力の大きいエアコンは、他の家電と同じ回路に繋ぐことができず、専用の回路を分電盤から引く必要があります。
また、リビングなどの広い部屋(14畳以上など)では、パワー不足の100Vのエアコンを常にフル稼働で無理に使うよりも、ハイパワーな200Vエアコンを余裕を持って運転させた方が素早く設定温度に達し、結果的に省エネになるケースがあります。
200Vエアコンの導入には、分電盤の電圧切り替えや専用コンセントへの交換工事が必要となります。
照明器具のLED化とセンサースイッチの導入
LED電球への交換はご自身でもできますが、蛍光灯器具からLED器具への交換には、電気工事士による配線工事が必要なケースが多くあります。
10年以上経過した古い照明器具は、内部の安定器の劣化により無駄な電力を消費するだけでなく、最悪の場合は発火のリスクもあるため、器具ごとの交換を強くおすすめします。
また、玄関・廊下・階段・トイレなどに「人感センサースイッチ」を設置すれば、人がいる時だけ自動で点灯し、いなくなれば消灯するため、消し忘れがなくなり、照明にかかる電気代を極限まで削減できます。
高効率なエコキュートへの切り替え
古い電気温水器をお使いのご家庭は、ヒートポンプ技術を用いた「エコキュート」への切り替えが、家庭の光熱費を大幅に削減する非常に有効な手段です。
エコキュートは大気中の熱を利用してお湯を沸かすため、従来の電気温水器と比べてエネルギー効率が3〜5倍も高くなり、ランニングコストを大きく抑えられます。 エコキュートの導入には、専用の基礎工事や専門的な配線・配管工事が必要になりますので、施工実績が豊富で信頼できる電気工事店への相談をおすすめします。
まとめ|電気代の節約や住宅設備の見直しはプロの電気工事店へ
ここまで解説したように、電気代を劇的に抑えるには、照明のLED化だけでは不十分です。家庭の消費電力の約7割を占めるエアコン・冷蔵庫・照明・給湯機器の4つの設備を中心に、日々の使い方の工夫や省エネ性能の高い家電への計画的な買い替え、電気工事による設備の根本的な見直しの3つをバランスよく組み合わせることが、電気代の大幅な削減への最大の近道となります。
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